エボラ

エボラウイルスの勢いがなかなか止まりませんね。沈静化した地域もあるようですが、完全に抑え込んだとは言い難いでしょう。

 

気になったのは治療薬の件です。数か月前、WHOは実験中の薬に関して、患者に告知することを条件に使用するとありました。記憶はあいまいですが、まだ未承認でしたし、治験も進んでいない薬です。誰も気に留めていませんでしたが、私は少し疑問に思いました。治験もまともにやっていない薬に関して、緊急性を要するというだけで、使用していいのでしょうか?

 

おそらく、使用のためのアリバイのようなものが、告知ということなのでしょう。インフォームドコンセントとも言えます。しかし、アフリカでまだ教育が十分に行き届いていない地域で薬の危険性を告知したところで、意味があるのでしょうか?

 

話は少しずれますが、日本でかつて、薬害エイズ事件というのがありました。患者に危険性を知らせず、輸血したというものです。当時の役人や医療関係者、患者にとっては、緊急性を要するものであり、彼らは追い詰められていたのだと思います。しかし、よい結果を生みませんでした。

 

まだ、安全性の確立していないものを人間に投与するのは極端に言えば、人体実験です。緊急だからという理由だけで倫理に反するのはどうかと思います。もっといえば、私は、一般人の「このまま世界に拡散したらどうするのだ」「私に移すな」「どうせ、放っておけば死ぬ命だ」という考えが透けて見えて気持ちが悪いです。

 

緊急事態になり、人間のむき出しの感情があらわになり、頭が痛いです。